押し付けがましいレッテル張りを、片っ端から鮮やかにかわしてみせる
21歳。それが、人気アイドル歌手、浜崎あゆみだ。
CDデビューは1998年4月。以来、2年余りでシングル16枚、
アルバム7枚をリリースした。
「A」「SEASONS」などのシングル、オリジナルアルバム2枚は、
100万枚を突破した。
世評では、女子高校生のカリスマ的存在。携帯電話のCMで、
ゲームから抜け出してきたような、近未来を思わせるような
コスチュームで、びしっと決める。
女性週刊誌に登場すれば、ファッション・メーク・髪型など、
10〜30代女性の幅広い支持を集める。
インターネット上のアイドルに通じる無機質さも併せ持つ。
とにかく、堂にも入っているのだ。
しかし、である。口を開けば、もったりした幼児調で、「アユねえ…」
と話し出す。すべて自作という浜崎の歌詞には、
絶望と寂しさがうっすら漂う。
「君がいたからどんなときも笑ってたよ」[TO
BEから]
切ないほど素朴な浜崎の吐息はすんなりと若者の心に飛び込む。
分かったような気になったとき、裏切る要素が出てくる、
それぞれの面が強烈な個性を放つ多面体。
つかまえたはずのイメージがスルリと逃げて行く。
魅力の源泉は、このイメージの落差だ。
そして周囲はようやく気づく。
「格好いいのも、飾らないのも、どちらも彼女の実像じゃないか。」と
今年3月の、「ayu-mi-xU」(4枚シリーズ)では、
同じ曲をアップテンポからアコースティックな響きまで、
印象の異なる四様の味付けで料理した。
彼女自身、いろんな側面を総体として見せることが
自己演出の真髄だ、と自覚しているに違いない。
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